時代小説 - 藤沢周平

Posted at 07/02/25

4163191402壬生義士伝〈上〉
浅田 次郎
文藝春秋 2000-04

 先日、というかちょっと前にテレビ放映された映画『壬生義士伝』(浅田次郎原作)を久々に観たのを切っ掛けに、お気に入りの時代小説を本棚(及び段ボール箱)から引っ張り出してきてあれこれと読み返しています。最近はご無沙汰でしたが、元々時代小説好きで良く読んでいたんですよね。(ちなみに『壬生義士伝』については主人公のイメージとしては中井喜一の映画版、映像化作品としての出来は渡辺謙主演のTVドラマ版が良かった)
 個人的に特に好きな作家は藤沢周平。男女間の哀切な思い、人情、そして力強く生きる名も無き市井の人々を巧みに描く、読後感の非常に爽やかな作家です。時代小説を読んだことの無い人にも読みやすい文体ですので、「なんか面白い本ないかな」なんて思ってる人は是非。まぁ、これだけ有名な大御所の作家さんなので今更お勧めするのも何ですが。。。^^;
ちなみに下記3冊が私のお勧めです。

藤沢周平のおすすめ本
4101247013用心棒日月抄
藤沢 周平
新潮社 1981-03

 ある事情で脱藩した青江又八郎が江戸に上るが、日々の暮らしにも事欠き始め用心棒稼業を始める。10の短編が収録されており、最初の仕事はなんと犬の用心棒。徐々に用心棒としての信頼が上がり終盤では幕府の要人の用心棒を務めるまでになるが、話が進むうちに"忠臣蔵"の吉良邸討ち入りの話ともリンクしていく。
 最初の仕事が犬というユーモアのある設定や忠臣蔵のエピソードが上手く小説に取り込まれており、読むものをどんどん物語に引込んで行くとともに面白さを一段とアップさせています。続編として『孤剣』、『刺客』、『凶刃』と計4冊が発表されていますが、特に面白いのは3作目の『刺客』まで。4冊目の『凶刃』はそれまでの登場人物総登場でシリーズを完結させるべく執筆されたような面が強く、シリーズで唯一の長編物になっていますが、物語の出来としては前3冊に劣っているような気がします。まぁ、シリーズのファンになってしまうと「その後あの人は」的な興味もあり、読まざるを得ないし、劣ると言っても下手な時代小説よりクオリティは遥かに上です。
416719225X蝉しぐれ
藤沢 周平
文芸春秋 1991-07

 ドラマ化、映画化を経てかなり有名な作品となってしまいましたが、藤沢周平の最高傑作のひとつです。読後感の清清しさは堪りません。歴史上の有名人を描く歴史小説も良いのですが、こういう本を読んでしまうと時代小説ファンを止められません。
4167192268麦屋町昼下がり
藤沢 周平
文藝春秋 1992-03

 人に対する優しさ人情、男女間のほのかなで時に熱い思いを見事に描く藤沢周平の魅力が詰まった短編集。物語のその後に思いを馳せる余韻を残しつつも読後感が爽やかな名作4編を収録。



私を時代小説好きにした記念碑的な本
4167105675竜馬がゆく〈1〉
司馬 遼太郎
文藝春秋 1998-09

 おなじみ司馬遼太郎の『竜馬がゆく』。昔から武田鉄矢が竜馬を演じたがりますが、個人的には止めてほしい。くど過ぎる。竜馬はもっと飄々とした感じだと思うんだけどなぁ。
 実際には坂本竜馬は維新後に忘れ去られた存在になっていたところを日露戦争の直前に日本海軍の戦意高揚のために名前を引っ張り出され、最初の海軍"海援隊"を創設、そして明治維新で重要な役割を果たした英雄として祀り上げられて有名になった人です。なので司馬良太郎を始めとする一連の小説、ドラマ、映画における竜馬物作品は実際の竜馬像とは掛け離れていると言われており、司馬遼太郎作『竜馬がゆく』でも実際の"馬"と小説でのキャラクターを切り離すために表記を"馬"にしたと言われています。
とはいっても、いずれにせよ小説の面白さには変わりありませんけどね。^^♪ (全8巻)


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