『はじめてのジャズ』 - ロック・ファンのための、ジャズ初心者向け名盤5選
Posted at 08/04/04 PermaLink» Comment(4)» Trackback(0)»
ジャズを聴き始めて20年余、浅く狭く、好みのものだけ聴き続けて、実はサックスが2人いるとどっちがキャノンボール?などと区別が付かないことも多い稚拙なジャズ・ファンなので(聴いていて気持ちがよければ良いので、誰が吹いていようと、あんまり気にしていない)、「ジャズ初心者のための名盤ベスト5」などと書くのも気が引けるのですが、停滞しがちなブログの記事のネタとして思いついてしまったので、勢いで書いてしまうことにします。^^;
ちなみに一般的なロック、音楽ファン向けを想定していますので、『ビッチェズ・ブリュー』が入っていないとか、そういうことは気にしないで下さい。また「多分これが良いんじゃ無いかなぁ?良いよね。」などという、曖昧で消極的な意見として、その日の気分で書いてますので、コレが入って無い、とか、コレよりアレの方が、などというご意見は、そのへんを察して深く追求せずにご了承ください。私自身も明日になったら他のアルバムを入れたくなってるかもしれません。
[ロック・ファンのための、ジャズ初心者向け名盤5選]
『バードランドの夜 Vol.1』アート・ブレイキー
アート・ブレイキー(ドラム)の超有名曲"モーニン"も収録されていませんし、有名なジャズ・メッセンジャーズ結成以前の実況録音版ですが、とにかくエキサイティングで聴いて楽しい演奏が詰まったアルバムです。私がジャズを聴きたいという人に一番に勧めるのがコレ。
ジャズを聴き始めると、早い段階で名前を聞くことになるであろう夭折した天才クリフォード・ブラウン(トランペット)の演奏も堪能できるところもオススメ。ファンキー・ジャズ・ピアニスト、ホレス・シルヴァーやアルト・サックスのルー・ドナルドソンも好調。
初めて聴いた時から、その素晴らしさが分かりやすいアルバムであり、その反面すぐに分かってしまった気になって飽きも早く感じてしまうというところがありますが、そこから他のミュージシャンのアルバムに手を出してジャズの長い旅に出たとしても、実は結局ここに戻って来てしまうというアルバムでもあります。後述するソニー・ロリンズの『サキソフォン・コロッサス』などと同様に、ジャズの魅力、格好良さが凝縮されて詰まっている作品であり、聴けば聴くほどに深い偉大なアルバムなのです。
『リラクシン』マイルス・デイヴィス
リラックスした雰囲気の中で歴戦練磨のマイルス・デイヴィス・クインテットがハード・バップ全盛期の1956年に行った録音(2回のセッションで4枚分の録音を行った有名なマラソン・セッション)を収録した好盤。大手コロンビアに移籍するためにプレステッジに残っていた契約を処理するために行われた録音なのですが、この時に録音された4枚のアルバム全てが名盤という奇跡的なセッションです。(『リラクシン』『クッキン』『ワーキン』『スティーミン』)
個人的に4枚の中で一番好きな『リラクシン』を一押しとしておきますが、超有名曲"マイ・ファニー・バレンタイン"が収録された『クッキン』を選んでも良いかもしれません。
マイルス・デイヴィス(トランペット)、ジョン・コルトレーン(テナー・サックス)、レッド・ガーランド(ピアノ)、ポール・チェンバース(ベース)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ドラム)といったジャズ界の巨匠達の演奏が1枚で聴けると言うのもお得。とはいっても、ここでのジョン・コルトレーンは才気溢れる匂いはするものの、まだまだ稚拙。コルトレーンの開花はもう少し先になります。
マイルス・デイヴィスのアルバムとしては『カインド・オブ・ブルー』が有名ですが、モード・ジャズというマイルス・デイヴィスが産み出した新たなジャズの記念碑的なポジションや、よくある名盤紹介で頻繁に取り上げられたこともあって、『カインド・オブ・ブルー』という名前が一人歩きをしている感もあり、ここはひとつ逸る気持ちを抑えて、聴きやすいハード・バップの名盤『リラクシン』などのマラソン・セッション4部作、『ラウンド・アバウト・ミッドナイト』などを経由して『カインド・オブ・ブルー』にチャレンジするのが良いのではないかと思います。
*例外としてハード・ロック好きには1964年に録音されたライブ盤、ドラムのトニー・ウイリアムズが疾走する『フォア&モア』をオススメします。
『サキソフォン・コロッサス』ソニー・ロリンズ
"セント・トーマス"、"モリタート"といった有名曲を収録した、ソニー・ロリンズ(テナー・サックス)の傑作アルバム。流れるようなアドリブ・ソロ、各楽器同士の駆け引き。ハード・バップ・ジャズの魅力の全てが集約された名盤。
その後の展開を見据えて様子を見ながら軽く吹くソニー・ロリンズ、そして弾ける様に展開される流麗なアドリブ、それに呼応するリズム・セクション。アルバムを聴き込んでいって、こういった部分が分かるようになってくるとジャズ初心者卒業です。
『ワルツ・フォー・デビイ』ビル・エヴァンス
ピアノが好きな日本人としてはビル・エヴァンスも一枚。ある時は繊細に、ある時は激しく、そして溢れ出る美しいメロディー・ライン。ピアノ・トリオの魅力が詰め込まれた、その後に生まれたピアノ・トリオは全てこの作品の影響下にあると言っても過言では無いほどの名盤です。
『キャノンボール・アダレイ・クインテット・イン・シカゴ』キャノンボール・アダレイ
ジャズを聴いたことの無い人でも一度はその名を聞いたことがあるであろう超名盤『カインド・オブ・ブルー』を録音したマイルス・デイヴィス・セクステットから御大マイルスを外して、キャノンボール・アダレイを名義上リーダーに仕立てて録音された、聴きやすいメロディーとノリの良いリズムに乗せて、キャノンボールとジョン・コルトレーンが気持ちよく吹きまくる、ジャズらしいジャズが満載のアルバム。同時期に録音された『カインド・オブ・ブルー』でモード・ジャズという新たな境地に踏み込んだメンバーたちが、少しリラックスして馴染みのハード・バップ・スタイルで繰り広げたハード・バップ時代の最後を飾る傑作。
ロック・ファン向け、とか言いながら結局よくある名盤紹介で必ず取り上げられるアルバムばかりになってしまいましたが、名盤なんてそんなもの。40~50年前の音楽が未だに聴かれるには、それだけの訳があります。とりあえず、この中から最初の一枚を選べば間違いが無いと思いますが、欲張りは禁物。まとめて聴くとジャズ初心者にはどれも同じように聴こえる危険性もあるので、せっかくの名盤ですから1枚1枚、しっかりと聴き込む事をオススメします。上記アルバムでジャズの魅力が分かれば、後は同じミュージシャンのアルバムを揃えるも良し、気に入った参加メンバーのアルバムに行くも良し、深くて心地よい、魅惑のジャズの世界が貴方を待っています。(魅惑、と言うのもちょっとジャズを誤解させる書き方かな?)
しかし、やっぱり5枚じゃ収まりきりませんね。そのうち気が向けば第2弾も書くかもしれません。(多分)














"『はじめてのジャズ』 - ロック・ファンのための、ジャズ初心者向け名盤5選"へのコメント
CommentData » Posted by hajime at 08/04/06
どれもジャズ・ファン必聴の名盤ばかりですね。僕も紹介されているアルバムは全て好きです。^^
>その反面すぐに分かってしまった気になって飽きも早く感じる
確かにそういうところがあるかもしれません。でも
>実は結局ここに戻って来てしまうというアルバム
と言うことですね。同意です。
この中だとアート・ブレイキーの「バードランドの夜 Vol.1」が一押しですね。
あと、僕だったら
コルトレーン「ソウルトレイン」(もしくはブルー・トレイン)
アート・ペッパー「ミーツ・ザ・リズム・セクション」
あたりを追加したいところです。^^
CommentData » Posted by taku at 08/04/08
こんにちは。
>私がジャズを聴きたいという人に一番に勧めるのがコレ。
アート・ブレイキーのこのアルバムはなかなか良い選択だと思います。
ジャズ初心者にはこだわりの1枚とか、ジャズの歴史の流れの中での重要作品などを勧めるより、分かりやすいけど聞き込めばそれに応えてくれるハード・バップ時代のものを勧めるのが1番ですね。
僕だったらロリンズの「サキソフォン・コロッサス」あたりかな。
でも、axis_009さんはロック専門かと思っていたけど、ジャズも結構聞かれるんですね。これからもジャズのアルバム紹介期待してますよ。^^
CommentData » Posted by axis_009@管理人 at 08/04/10
>hajimeさん
>>アート・ブレイキーの「バードランドの夜 Vol.1」が一押しですね。
ロック・ファン向けにはアート・ブレイキーのドラムが一番馴染みやすいんではないかと思うんです。個人的にもジャズを聴き始めた当初、一番最初に気に入って聴きこんだのがこのアルバムと『モーニン』でした。実は今回紹介しているアルバムは全て私がジャズを聴き始めた頃に気に入ってよく聞いてたアルバムをセレクトしてるんですよ。
>>コルトレーン「ソウルトレイン」(もしくはブルー・トレイン)
どちらも好きなアルバムです。その後の『ジャイアント・ステップス』以降のアルバムより、この頃のコルトレーンの方が好みです。
>takuさん
>>分かりやすいけど聞き込めばそれに応えてくれるハード・バップ時代のものを勧めるのが1番ですね。
私も同意見です。経験上からも、気に入ってもらえる事が多かったです。
>>僕だったらロリンズの「サキソフォン・コロッサス」あたりかな。
これも王道ですね。^^♪
基本的に『バードランドの夜』で、相手の好みによってはコチラを勧めることもあります。
>>これからもジャズのアルバム紹介期待してますよ。^^
更新頻度の低いブログですが、少しずつ記事をアップしていきたいと思ってますので、時々覘いてみて下さいね。
CommentData » Posted by bert at 08/04/12
僕もブレイキーのバードランドは良く勧めている1枚です。ジャズを聴いたことが無い人が、まずジャズを聴きたいと思ったときにイメージしているのがハード・バップの音だと思うので、求めているものを勧めてあげるのが一番。中でもバードランドはいい出来だし。60年代の新主流派などはハード・バップを聞き込んでからの方が良いと思います。